建築の日本展―その遺伝子のもたらすもの―
こんにちは、ドマーニ日本橋の冨田です。
会期も終わりに近づき、先日慌てて見に行った、
「建築の日本展―その遺伝子のもたらすもの」
森美術館15周年記念展ということもあり、見応え充分でした。
あれ?日本の建築展ではないんだ・・・
と入り口では疑問に思ったタイトルも、見終わるころには理解。
日本の建築物をただ紹介するのではなく
建築史から日本を紐解くような内容でした。
館内は9つのテーマで構成されています。
100点もの建築物が紹介されていて、それらすべてを見るだけでも大変。
美術館なのですが、写真撮影が許可されている場所もありましたので
いくつかご紹介したいと思います。
ミラノ国際博覧会2015 日本館 木組インフィニティ
1本に8カ所の相欠き加工、わずか4種類の基本部材でつくられています。
木組は家具づくりにも応用されているので、親しみを感じます。
外から見るとどのように欠き込んであるかがわからないので
代表的な木組を、片側を透明なアクリルでつくり
わかりやすく紹介しているパーツなどもありました。
待庵
千利休がデザインしたとされる国宝の茶室「待庵」。
京都に現存しているのですが、見学はハガキ申込が必要、
そして茶室の中にはもちろん入れないのですが、
こちらはレプリカなので、内部の見学もできました。
(なんとこの日は40分マチ!)
畳2畳の空間、閉所恐怖症なので若干不安でしたが、
意外なほど狭さは感じずに、落ち着いて正座できました。
立ち上がってみても、頭をぶつけることもありませんでした。
この極小の空間、外国の方はどんな感想を持つのかな。
(アジア圏だけでなく欧州らしき方も多かった。)
家具のモダニズム
香川県庁舎などで実際に使われている、近代の名作家具の展示です。
東京都庁もですが、この香川県庁も丹下健三氏の設計とのこと。
展示されていた家具類も、丹下氏デザイン。
マガジンラックも、間仕切りの書棚も
60年前にデザインされたものだそうですが、とにかくカッコイイ!
誰でも自由に座って、書棚の本も閲覧可能、
思い思いにくつろいだり、触ったり、納まりを見たりしていました。
丹下健三自邸
今は現存せず、こちらは1/3スケールの模型です。
模型と言ってもかなりの迫力。
成城に建てられた、数少ない丹下氏設計の住宅のうちのひとつとのこと。
ピロティ形式になっていて、2階にすべての部屋を集約しているのも
特徴だそうです。
相変わらずバタバタの見学でしたが
まだ現存していたり、比較的新しい建築も紹介されていて、
模型だけでなく実際に見学したい建物がいくつもありました。