家具・インテリアの基礎知識・・・張地の話 その5

こんにちは、ドマーニ日本橋の冨田です。


今回も、引き続き革のお話し。


実際にカリモクではどんな革が使われていて、


どんな特徴があるかをご紹介したいと思います。


 


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 ■革の染め方について


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革は「染料染め」と「顔料染め」2つの染め方があります。


 


◆染料染めの特徴


・柔らかくて手触り感が良い。


・革本来のぬくもり感がある。


・染めムラが出やすい。


・表面に傷がつきやすく、また変色しやすい。


・シミがつきやすく汚れが目立ちやすい。


・肌の欠点を隠すことができない。


 


◆顔料染めの特徴


・どんな色でも塗れ、デザインの幅が広がる。


・表面強度が保持できる。


・塗膜が厚いと革らしさがなくなり硬くなる。


 


インテリアの革は、染料で染めることをベースに、


表面に顔料でさらに色付けする方法が一般的です。


セミアニリン・アニリン・素上げ等と呼ばれていますが


革らしさが増していけば、革本来の欠点(生きていたときの傷など)


も表面に現れてきます。これが「本物の証し」となるのです。


 


・素上げ→染色をしない仕上げ方法


・アニリン仕上げ→染料のみの仕上げ方法


・セミアニリン仕上げ→染料とごくわずかの顔料の仕上げ方法


・顔料仕上げ→染料+顔料の仕上げ方法


 


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 ■カリモクの革について


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今までご紹介してきた鞣し方や染め方を踏まえ


実際にどのような革が使われているかをご紹介します。


 


◆アニリンオイル


タンニン鞣し 無塗装 オイル加工


厚み 4.5ミリ(超厚革)


完全受注生産のKANONの革。


タンニンを主体に時間をかけてじっくりと鞣すことで


革本来の風合いを最大限に引出し、オイルを染み込ませることで


柔軟でしっとりとした感触が楽しめます。


また、4ミリを超す超厚革も魅力のひとつです。



 


◆アメンド


コンビ鞣し(タンニン+クローム) 染料仕上げ


厚み 1.6ミリ


シュリンクさせ革シボを細かく出し、表面に軽くパフ仕上げを施し


肌触りよく、ナチュラルな風合いに仕上げています。



 


◆ピュアレノンタン


コンビ鞣し(タンニン+クローム) オイル加工


厚み 1.7ミリ


しっかりとしたコシのある仕上げで、傷は全く隠せず


シボのばらつきや色ブレがありますが


天然革の味わいを堪能いただける革です。



 


◆ヴィーゴ(ドマーニ用)


クローム鞣し 顔料主体 型押しは無し


厚み 1.7ミリ


イタリア製の鞣し革


丸革(日本で鞣す革は通常半裁)のため、ハギを入れない


大きな型取りデザインが可能です。



 


◆リーベル


コンビ鞣し(タンニン+クローム) 染料主体


厚み 1.5ミリ


革本来のナチュラルな雰囲気を活かすため、革表面の塗装を


薄く仕上げています。



 


革本来の良さを味わう仕上げは、表面加工がうっすらで傷を隠せません。


逆に手入れがしやすく、また傷を隠すために顔料をたっぷりと施し


型を押して仕上げる革は、冷たく硬い表情になります。


 


どのように使っていきたいか、お手入れ方法も含めて


ぜひショールームスタッフに色々とご相談してみてくださいね。


さて次回は、椅子の構造についてお話しします。


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