家具・インテリアの基礎知識・・・塗装の話 その2

こんにちは、ドマーニ日本橋の冨田です。


先回は塗装の工程をお話ししましたが、


今回は実際に使われている塗料の種類をご説明します。


 


塗料は、自然界の中に存在する動物や植物からつくられた「天然塗料」と


石油等から科学的につくり出された「合成塗料」に大きく分けられます。


 


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 ■天然塗料


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◆漆(うるし)


塗料の原点と言われ、歴史的に最も古い塗料で、


漆の樹液(ウルシオール)を精製加工してつくられた塗料です。


優雅な仕上がりで、耐久性や耐水性などに優れていますが


原液が高価で長時間の手作業を要するため、


現在では工芸的価値のあるものに用途がとどまっています。


 


◆オイル仕上げ


自然界の中に生育する動植物の油を主体に生地に摺り込む塗装方法で、


オイルフィニッシュ仕上げと呼ばれています。


最近の健康志向などにより見直されていますが、一方では


割れや反りなどの木の持つ特性を抑えることが出来ないという


デメリットも残されています。


 


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 ■合成塗料


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◆ポリウレタン樹脂塗料


光沢感や肉持ちが良く強靭で、薬品や水にも強く


漆により近付いた塗料と言われています。


国内の木製家具に最も多く使用されている塗料です。


カリモクブランドのほとんどが、このポリウレタン塗料を


使用して仕上げられています。


 


◆ポリエステル樹脂塗料


光沢や透明感、深みのある硬い塗膜をつくり出し


材質感を引き出すことに優れた塗料です。


 



このポリエステル塗料を何度も塗り重ね、


十分に乾燥しサンダー調整・パフ磨きと工程を進めて


仕上げたものがポリエステル塗装です。


ドマーニのフォルザコレクションなどに使用され、


上の写真のテーブルのように、鏡のような光沢から


鏡面仕上げとも呼ばれています。


 


◆ラッカー塗料


塗膜が硬く透明で、光沢があります。


時間が経っても安定していて、補修が容易なため


高級家具用塗料として使われることも多いのですが


耐熱性や耐溶剤性には劣ります。


 



ラッカー塗装は、塗装面を薄く何度も塗り重ねることにより


木材料のしっとりとした素材感や透明感を際立たせ、


味わいと深みを表現する塗装仕上げです。


熱や水気・溶剤に弱いという欠点がありますが、その一方で塗り直しが


容易なため、代々受け継がれるような家具によく使用されています。


ドマーニでも、クィーンズライフやモーガントンなどに使用されています。


 


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 ■塗装のテクニック


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最後に、塗装で付加価値をつけるテクニックを少し


ご紹介したいと思います。


 


◆グレージング・ハイライティング



彫りの深い部分に濃い色を(グレージング)、


突き出た山の部分を磨いて淡い色に(ハイライティング)


することで、使い込んだ風合いを演出します。


 


◆スパッタリング・羽根汚し



虫食いの穴を表現した「スパッタリング」や、


キズのように羽根で着色を施す「羽根汚し」など、


こちらも長い間使用した雰囲気に仕上げるテクニックです。


 


 


今回は、塗料の種類とその塗料を使った塗装をご説明しました。


特にドマーニブランドは、それぞれの特性を生かした塗装仕上げを


施すことで、付加価値を高めることを行っています。


それぞれお使いいただく上での注意点なども異なりますので


ご検討の際は、ご案内スタッフまでお尋ねくださいね。


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