家具・インテリアの基礎知識・・・木材の話 その2
こんにちは、ドマーニ日本橋の冨田です。
今日は、家具に使われる代表的な木材についてご紹介します。
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■日本材
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◆ナラ(楢)
科目:ブナ科 コナラ属
分布:北海道 本州 四国 九州 サハリン
木目が日本人好みで美しく、耐久性があるため
日本の洋家具の代表的な樹種として知られています。
またフローリングにも多用され、認知度の高い木材名のひとつです。
家具用材として評価が高く、高級家具に使われています。
日本の北海道から算出されるナラ材は世界的にみても優良材と言われ、
海外に輸出もされています。
◆ブナ(橅)
科目:ブナ科 ブナ属
分布:北海道南部 本州 四国 九州
木肌が白く細かくて、弾性に富んでいるため曲げ木に適した木材です。
以前は狂いやすく家具用としては用いられなかったのですが、
乾燥技術の発達により、家具をはじめ楽器などにも
使われるようになりました。
日本全土にあり、東北地方に多い、特に世界遺産に登録された
「白神山地」は有名で、青森と秋田にまたがり世界最大の
広さで残っていると言われています。
◆ケヤキ(欅)
科目:ニレ科 ケヤキ族
分布:本州 四国 九州 台湾 朝鮮 中国大陸
古木ほど独特の優雅な木目が表れ、その美しい文様が古来より
日本人に愛されてきました。
神社・仏閣、また日本建築の床の間や大黒柱に広く用いられ、
その家を守り繁盛させると言われたことで伐採が進み、
現在では貴重な木材となっています。
◆キリ(桐)
科目:ゴマノハグサ科
分布:北海道南部から全国で栽培
白く柔らかで、吸湿・吸水性がよく、また狂いにくく防腐効果もあります。
昔から大切な着物を収納する婚礼タンスなどの材料に使われていたため、
今でも大切なものや高価なものは桐の箱に入れる風習が残っています。
◆サクラ(桜)
科目:バラ科 サクラ亜科
分布:本州 四国 九州
木肌は細かく静かな木目です。
途中で枝分かれなどにより、幅の広い材料や長い材料が取れず、
家具用材よりは工芸的価値あるものに使われてきました。
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■南洋材
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◆ラバトリー
科目 トーダイグサ科
分布 東南アジア(原産地はブラジル)
ゴムの樹液採取後、毎年一定量焼却処理されていた材を、
近年の乾燥技術の駆使により、家具用材や建築用材として
使えるようにした、環境にやさしい材です。
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■北米材
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◆アッシュ
科目:モクセイ科
分布:北米東南部に広く分布
アッシュの中でも白い色のものをホワイトアッシュと呼び、
家具によく用いられます。
また強度や粘りがあり衝撃に強いことから野球のバットに
使用されています。
◆オーク
科目:ブナ科 コナラ属
分布:北米東部に広く分布
オークとは、アメリカ北東部で豊富に育ついくつかの仲間の総称で、
ホワイトオークは日本のナラに近いと言われています。
ウィスキーの樽にも使われます。
レッドオークは多孔性なので樽には向きませんが、
どちらも家具用材としてよく使われます。
◆メープル
科目:カエデ科 カエデ属
分布:カナダ アメリカ北東部
白っぽい木で塗料ののりも良く、色々な表情をつくり出すのに適しています。
メープルには、ハードメープル・ソフトメープルがあり、
硬さが大きく異なります。家具用にはどちらも使われますが、
フローリング材にはハードメープルが望ましいと言われています。
◆ブラックチェリー
科目:バラ科 サクラ属
分布:アメリカ東部全域
きめの細かい木肌と紅褐色がやわらかくあたたかい雰囲気を与え、
フローリング材としても知られています。
時が経つほど赤みを増し、艶と趣のある風合いを醸しだします。
中心部と外側の白い部分で色の濃淡が大きく、年数が経つにつれて
起こる材焼けも、ほかの樹種に比べて大きいのが特徴です。
◆ウォールナット
科目:クルミ科
分布:北米東南部
人間が馴染みを感じる木目と色を持ち、
強度と粘りがあり耐久性に優れている材です。
銘木のひとつにも挙げられ、色味のシックな雰囲気のある木材として、
根強い人気があります。
今回は、家具に使われる代表的な木材についてご紹介しました。
樹種によって様々な表情や特徴があるのを
おわかりいただけましたでしょうか。
次回も木材の話です。ぜひご覧くださいね。
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