家具・インテリアの基礎知識・・・張地の話 その4

こんにちは、ドマーニ日本橋の冨田です。


今回から、革についてのお話しです。


 


革も、布と同じように家具以外の用途でも使われていて


馴染みのある素材かと思いますが、まずはどのように


分類されているかをご紹介したいと思います。


(少し生々しい表現があるので、苦手な方は飛ばしてくださいね)


 


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 ■原料による分類


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椅子類に使われる革の多くは牛革です。


原皮には、産地や性別・年齢などにより品質の差があり


いくつかに分けられています。


 


◆カーフ


生後6か月以内の子牛の皮、


衣料の高級品に使われています。


 


◆キップ


生後6か月から2年弱以内の皮、


高級紳士靴などに使われています。


 


◆カウ


生後2年以上の雌の成牛の皮、


ステア・ブルほどの厚みはありません。


 


◆ステア


生後3から6か月以内に去勢した2年前後の雄牛の皮、


品質が安定していて厚みがあり、


最も需要が多いと言われています。


 


◆ブル


生後3年以上の繁殖用の雄牛の皮、


組織は粗いが厚みがあるため、靴底に使われます。


 


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 ■鞣しによる分類


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鞣し(なめし)とは、皮本来が備えている堅牢性・通気性・


吸湿性・伸縮性などを引き出すことを言い、


生のものを「皮」、鞣されたものを「革」と表し区別をしています。


 


◆タンニン鞣し


木の皮や果実などから抽出したタンニン(渋とも言います)


によって鞣す古来からある方法です。


 


◆クローム鞣し


三価クロームで鞣す方法で、短期間で鞣すことができ


量産に向いています。


 


◆コンビネーション鞣し


タンニン鞣し・クローム鞣しの特徴を組み合せ、


それぞれの利点を活かした鞣し方です。


 


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 ■つくり方による分類


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◆銀付きの革


革の銀面をそのまま活かした革、


スムース・シュリンク・型押しなど。


 


◆起毛革


革の銀面や内側を毛羽立たせた革、


ヌバック・ベロア・バックスキン・スエードなど。


 


◆床革


皮を水平に2層以上に分割して得られた銀面以外の革。


 


 



一般的なインテリア用の革の厚みは1.2~1.4ミリですが


衣料用の革はその半分の0.6~0.7ミリ程度、強度は厚みに比例します。


また、銀面(表層)が残されていると伸びることなく


丈夫な革とされています。


 


次回は、革の染め方とともに


実際にカリモクで使われている革のご紹介をしたいと思います。


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